ワイヤーフィッシュテープ:材質、機能、主な特徴
ワイヤーフィッシュテープは、電気技術者や弱電技術者にとって欠かせない工具で、主に電線や通信ケーブルを導管、レースウェイ、壁内部の空間などへ通すために使用されます。軽作業の配線では主要な工具として使用され、また太いケーブルを電動ワイヤープーラーで引く前に、より強力なプルロープを通す初期工程としても活躍します。 適切なフィッシュテープを選ぶことは、作業効率、安全性、そして配線されるケーブルの保護にとって非常に重要です。 主な特徴は以下の通りです。
材質:
材質はフィッシュテープの性能、安全性、耐久性に大きく影響する重要な要素です。一般的な材質には次のものがあります:
- スチール:
最も強く剛性が高く、優れた押し込み力を持つため、長く直線的な導管に最適です。耐久性は高いものの、導電性があるため通電中の回路付近では絶対に使用してはいけません。また、錆びやすい点にも注意が必要です。
- ファイバーグラス:
非導電性で安全性が高い素材です。柔軟性が非常に高く、曲がりの多い導管に適しています。ただし、スチールほどの押し込み剛性はなく、損傷すると表面がささくれ立つ可能性があります。
- PET(ポリエチレンテレフタレート):
こちらも非導電性素材です。柔軟性と押し込み力のバランスがよく、一般的なナイロンよりも剛性が高い傾向があります。低摩擦で導管内を滑りやすく、耐久性にも優れ、ナイロンより「巻き癖」がつきにくいという特徴があります。性能とコストのバランスの良さから、近年人気の高い選択肢となっています。
長さ:
フィッシュテープには、25ft、50ft、100ft、120ft、240ft(約7m、15m、30m、36m、73m)など、様々な標準長さがあります。必要な長さは導管の総距離によって決まります。
先端(ティップ)/リーダー構造:
フィッシュテープの先端形状は、曲がりを通過する能力やワイヤーやロープとの接続性に大きく影響します。
- シンプルループ:
テープ先端に基本的なループが形成された構造です。
- フレキシブルリーダー:
柔軟性の高い金属または非金属素材の短いセクションで、曲がりの多い導管をよりスムーズに通過できます。
- スイベルヘッド:
先端が回転し、引き戻し時のテープのねじれを防ぎます。
- フック形状または特殊形状:
ワイヤーの捕捉や接続を容易にするために設計されています。
- ケース/ハウジング:
フィッシュテープの収納と繰り出し方法に関わる重要な部分です。
材質: テープを保護するため、通常は耐衝撃性の高い樹脂製。 ハンドル/グリップ: 持ちやすく巻き取りやすいよう人間工学に基づいた形状。 巻取機構: 手動のクランク式、または摩擦による押し引き式が一般的。 テープの形状・幅: 多くのフィッシュテープは平たい形状で、1/8インチまたは1/4インチ程度の幅。既存の配線がある導管にも通しやすく、この形状が剛性にも影響します。 柔軟性 vs. 剛性: 曲がりに強い柔軟性と、直線を押し進める剛性はトレードオフの関係。材質選びが大きく影響します。 マーキング: 高級モデルでは、レーザー刻印の長さ目盛(1フィートごと、1メートルごと)が付いており、導管に挿入した距離の把握が容易。 引張強度(プル強度): テープが破断する前に耐えられる最大牽引力。フィッシュテープ自体で軽い配線を引く場合に特に重要です。
まとめると、最適なフィッシュテープを選ぶには、作業環境(通電中の回路の有無)、導管の長さや曲がりの複雑さ、引き込むケーブルの種類や重量を考慮する必要があります。これらの要素を慎重に評価することで、作業効率の高い最適な工具を選択できます。
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